2014年01月13日

あなたは何屋さん?〜黒木亮「カラ売り屋」を読んで

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今年に入って4冊目の本、黒木亮「カラ売り屋」(講談社文庫)を読んだ。
書名の「カラ売り屋」と「村おこし屋」、「エマージング屋」、「再生屋」の4つの中編小説が収めらている。
「カラ売り屋」はタイトルから分かるように株取引、「村おこし屋」は地域活性化のコンサルタント、「エマージング屋」はアフリカ、アジアの新興国との金融取引(銀行)、「再生屋」は企業の民事再生の弁護士が主人公。

それぞれの仕事のプロとしての主義があり、企業組織や既成社会への反発心や批判的な登場人物が活躍する。村おこし屋は、社会を斜めに見て自己がもうかればいいという悪徳コンサルタントだが、その友人の主人公と対比的に描かれている。再生屋はバブル期の銀行に乗せられ経営者とその会社の後始末の再生の顛末記。

巻末の江波戸哲夫の解説にあるように「カラ売り屋」と「エマージング屋」は、著者自身の20年以上の国際金融、証券取引の専門家としての経験を背景とした小説。一方「村おこし屋」と「再生屋」は、著者の綿密な取材力と自身の体験(地方出身)と独自の視点に基づく小説。江波戸の言葉を借りると「先の二作のプロフェッショナルな情報性と、後の二作の持つドラマ性と言う両輪に乗って、黒木の作品世界は一層旺盛に展開していくに違いない」。

年末年始に読んだ「法服の王国」は紛れもなく後者の流れの作品。
日本の現代社会における前近代性、自分経営者としての独立した個人と大企業組織、地方と中央(国)などの背景とさらにグローバルな経済世界での経験は交差する作家黒木亮。彼の今後にさらに期待したい。



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posted by じんさん at 21:31| 北海道 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | お薦め本・書評など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月03日

『フラノマルシェの奇跡』から学ぶこと

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このブログを目にした皆さん「フラノマルシェ」はご存知でしょうか?
北海道の方でしたらかなり多くの人が、町づくりや商店街活性化に関わる人でも多くの人が知っていると思います。

国が2006年に示した中心市街地活性化の方針で「コンパクトシティ」で、2007年から富良野市で民間を中心に商工会議所や市役所のメンバーが中心になりスタートした「中心市街地活性化基本計画」の第一段階で2010年にオープンした「市民の憩いの場」、そこに集う人への「まちの情報発信の場」であり、市民と観光客の交流する「町へのおもてなしの場」「まちの縁側」の施設です。



本書は、この「フラノマルシェ」が、まだ影も形も、名前もなく、ただ、中心地にあった病院が移転し、その跡地の計画がほとんど何もない、「そんなこと許されていいと思います?」と著者が言われたところから始まる物語です(と言ってももちろん、実録です)。

とはいえ、中心市街地活性化計画の実現の単なる記録の書ではなく、そのプロセスが個性的な登場人物と共に口語体というか方言体も一部入り、漫才チックでオヤジギャグもちりばめながら、著書の前二著(「富良野笑市民ライフ」「笑説これが北海道弁だべさ」)に負けない面白さ。割合は少ないが計画やその分析などについては真面目チックに語られている。

これ以上の内容は、実際に本書を手に取って読んでもらうこととして、この書はある面でプロジェクトマネジメントの実録であり、公的な支援や助成金を活用したまちおこしの成功事例である(まだ進行形ではある)。
一筋縄ではいかない、地域での合意形成(共感づくり)【第1章第8話コンセンサスづくりに東奔西走の日々】やお役所(経産省)とのやりとり【第4章第3話思わぬ役所の壁】は極めてリアリティもあり、率直な語り口。

学んだことと言うか、記憶に残った言葉の数々を最後に述べる。
〇まちづくりに欠かせない3つのファクター「パッション(情熱)」「ミッション(使命感)」「アクション(実現に向けての具体的な行動)」
〇「まちづくり」とは「まち育て」、これはたとえて言えば「子づくり」と「子育て」、「つくる」は短期戦だが、「育てる」は長期戦。
〇「ないものねだりの、あるもの無視」と言う態度をあらためて「あるもの探しの、あるもの活かし」

特にこの3つ目の言葉は、私の企業研修での「解決志向」のアプローチそのもの。
また全体を通して仲間づくり(本書では「一味」&「ソウルメイト」)がやっぱり、不可欠だ。

さあ、あなたもこの本を読んで、大変なことを楽しく、面白く成し遂げる、やり続ける世界の一味へ、ようこそ!


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posted by じんさん at 18:59| 北海道 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | お薦め本・書評など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月02日

黒木亮著『法服の王国』小説裁判官〜を読んで

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年末年始の課題図書(昨年買った積読〔つんどく〕からまず読む本)3冊の内の1冊目『法服の王国(上・下)』を2年がかり(平成25年12月30日〜平成26年1月2日)で読了しました。


プロローグは平成18年冬(1月頃)、東京高裁長官津崎守が長官室で、2か月後の日本海原発建設差し止め訴訟判決のことを思うシーンから始まる。
そして、すぐにその訴訟の裁判長村木健吾が、大学法学部を卒業し新聞販売店でアルバイトをしながら司法試験の勉強をしていた41年前に戻る。その同じ販売店で、当時は法曹界を目指そうと思ってもいなかった差し止め訴訟の原告団弁護士妹尾猛史が働いていた。この3人が主人公としてストーリィは進んでいく。

素直な感想は、小説の中とはいえ裁判官の仕事と言うか人生を初めて知った。
しかも大半の事件は、現実の裁判の出来事(長沼ナイキ基地訴訟〔自衛隊違憲判決〕や秩父じん肺訴訟〔公害訴訟の救済〕等)と共に進行しているので、司法の世界(裁判所)の変化と共にリアリティを持って感じられた。


全体を通してのメインの裁判は、日本海原発建設差し止め訴訟、そしてラストシーンでの東日本大震災の福島第一原発事故。原発問題を裁判の側面から描いた小説とも言える。

私自身は、裁判所の事務官の研修は担当したことはある。弁護士の知人はいるが、裁判官の知人・友人はいない。裁判官の知り合いがいたら是非感想を聞きたいものだ。とりあえずは弁護士の友人に読んでもらって感想を訊くことにしよう。

作者黒木亮の小説は、事実とフィクションが入り混じった作風なので、まったく知らないプロジェクトファイナンスの小説〔『トップレフト』、『巨大投資銀行』など〕は、かなり読み進めるのも大変だった。
今回の『法服の王国』は裁判シーンでのやり取りは詳細を極め、結構理解が大変だが、ストーリイは面白く読み進めることができた。昨年の正月に読んだ『鉄のあけぼの』と共に黒木亮の最近刊では、お進めの2冊です。

初期の頃の作品は、自分自身の体験をベースにしたと思われるものが多かったが、近年はその優れた取材力と理解・構想力により面白く考えさせられる近代又は現代歴史小説といえるのではないか。

以下は昨年読んだ「鉄のあけぼの」のブログ記事

黒木亮『鉄のあけぼの』を著者の人格で読む


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posted by じんさん at 21:28| 北海道 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | お薦め本・書評など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月01日

私にとっての「振り返り」〜何をするのか?

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2014年になりました。
今日のテーマは、昨日(12月31日)向きであったのですが、大晦日は結局時間がなく正月のアップとなりました。

私にとっての振り返りは大きくは3つの意味があります。
一つ目は、私の仕事の企業研修の「カリキュラムでの振り返り」。これは研修のレクチャーやセッション(ミーティング)、ワーク(グループ実習や対話、ロープレ等)で、学んだことや行動したことの理解度や達成度、などを確認すること。気づきや学びを深めることです。

二つ目は、具体的な「仕事の振り返り」。これは実施した研修が当初の目的や目標に対してどれだけ成果をあげられたか、効果的に進めることが出来たかを評価し次に活かすこと。つまりPDCAサイクルの「Check」と「Action」です。

三つ目は、もうすこし「幅広く振り返り」をすること。今日一日、または1週間、1か月、そして1年等の期間で振り返ること。

以上の3つのそれぞれについてさらに深めることを次回以降投稿していきたいと思います。

今日は、朝お雑煮とお屠蘇をいいただき、そのご北海道神宮に初詣、出していなかった年賀状書きなど。
昨日今日と正月の課題図書「法服の報告」上巻を読了。1日遅れです。明日は下巻読破!


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posted by じんさん at 22:36| 北海道 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 今・ここ・私 から | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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