2019年03月28日

新入社員・新採用職員研修の企画実施で考えたこと〜「社会人基礎力」と「生きる力」(人間力)

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さて、今回のテーマは、
「社会人基礎力」「生きる力」(人間力)。

4月1週目に担当する某市役所の新採用職員研修で「社会人基礎力診断」という項目があり、私も聞いたことはありましたが、準備のために詳細を調べました。

「社会人基礎力」とは、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として、経済産業省が2006年に提唱しました。
詳細は⇒こちら

内容は、「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つの能力(12の能力要素)から構成されています。

企業研修では、マネジメント能力のアセスメント研修(管理者としての能力を課題・実習を通して評価し、育成や昇格に活用するプログラム)で使われている評価ディメンション(評価項目)に非常に近い内容でした。


そして「生きる力」

これは、文科省の新指導要領(小学校は2020年から、中学校、高等学校は、それぞれ翌年、よく翌年から実施)の理念が「生きる力、学びの、その先へ」です。実は、10年前の指導要領改訂での理念が「生きる力」でした。
今回の「生きる力、学びの、その先へ」は、

「何ができるようになるのか(何を学ぶか)」
◆学んだことを人生や社会に生かそうとする
『学びに向かう力、人間性 など』

◆実際の社会や生活で生きて働く『知識及び技能』

◆未知の状況にも対応できる
『思考力、判断力、表現力 など』


「どのように学ぶのか」
(主体的・ 対話的で深い学び)


現行の「生きる力」(平成23年〜)それは、知・徳・体のバランスのとれた力のことです。
その基本の考え方は・・・
○確かな学力:基礎・基本を確実に身に付け、自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力
○健康・体力:たくましく生きるための健康や体力
○豊かな人間性:自らを律しつつ、他人とともに協調し、他人を思いやる心や感動する心、など

学力の重要な3つの要素を育成します。
@ 基礎的な知識・技能をしっかりと身に付けさせます
A 知識・技能を活用し、自ら考え、判断し、表現する力を育みます
B 学習に取り組む意欲を養います

学習指導要領「生きる力」は⇒こちらへ


なぜ、企業研修を考えるのに、「社会人基礎力」「学習指導要領」のことを少し長く述べたかというと、国が今後の社会にに必要な人材の理念・方針を掲げている様に、企業の人材育成で「学習指導要領」とまでいかなくても、「社会人基礎力」のより具体化した自社の「仕事で成果を上げてもらうための人材に何を、どのように学ぶか」を考えていきましょうということです。

言い換えると自社の「人材育成方針」「目指す人材像」そして、具体的な「習得すべき人材能力・要素」を考えることが必要なのです。

事業経営と同じく、人材育成の経営(マネジメント)も理念・目的・方針のないところでは、行く先のない手段(目先の研修実施や人事制度改訂)の実施で終わってしまいます。

と言うことで、これからはその具体的な考え方と方策をこのブログ、他で述べていきたいと思います。


本記事の参考資料
「資料6 これまで提言された様々な資質・能力について(イメージ案)」


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posted by じんさん at 22:33| 北海道 ☔| Comment(0) | 生きる力(学校教育、社会人教育) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月20日

「目的思考」で学びが変わる、学校の「当たり前」をやめた


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工藤勇一「目的思考」で学校が変わる.jpg
本稿のタイトルは、千代田区立麹町中学校の工藤勇一校長の改革の記録。前者はライターが取材してまとめた本、後者は工藤校長本人の著作。

この本を知ったのはfacebookの広告かシェア投稿。
先月2月27日の苫小牧での講演会と翌日から稚内でのワークショップのJR車中の往路で2冊を読破(乗っていた時間は苫小牧往復も含めて片道で延べ8時間半。半分くらいは眠っていたけど)。

さて、なぜこの2冊を買って読もうとしたかというと、書名に惹かれたのです。
『「目的思考」で学びが変わる』、この学びにはいろいろな言葉を入れ替えることができます。『「目的思考」で会社が変わる』、『「目的思考」で職場が変わる』、『「目的思考」で仕事が変わる』等々。

もう1冊学校の「当たり前」をやめた』。これも同じく『会社の「当たり前」をやめた』、『役所の「当たり前」をやめた』、『病院の「当たり前」をやめた』等々。

内容も簡単に紹介しましょう。

『「目的思考」で学びが変わる−千代田区立麹町中学校長・工藤勇一の挑戦』多田慎介著、ウェッジ、2019年

工藤勇一校長は、従来の公立高校では考えられないような改革を次々と実行している。「社会で生きる力」を育てる手法にはビジネスの場面に通じるようなものも多い。そのため、教育業界に携わる方々はもちろん、広くビジネスパーソン全般からも、衝撃を感嘆を伴って受け止められるのでと考えていた。(はじめにより)

以下は4章からなる本書の各章のサマリー
○「目的と手段を履き違えない」手段が目的化しているものは、やめる「夏休みの宿題をやめた」「中間、期末テストをやめた」「固定担任制の廃止と全員担当制の導入」

○「子どもたちのためになっているかを第一に考える」何かを判断するときの優先基準は、一に子どものためになるかどうか、二に保護者のため、三に教員、そして学校。教育委員会の都合は最後に考えよう。

○「社会に出たら何もかも指示されることなんかない」体育祭も学校祭(麹中祭)もすべて生徒たちが企画・運営する(生徒が考えて決めて実行する)。体育祭は『生徒ファースト(自分たちのために)』、学校祭(麹中祭)は『観客の皆さんを楽しませる』がミッション。

○「完璧な親なんていない、大人も学び続ける」保護者のアクションで学校が変わる。


『学校の「当たり前」をやめた。 ― 生徒も教師も変わる! 公立名門中学校長の改革』 ―工藤勇一著、時事通信社、2018年

以下、私が、この本の本質と思う個所の紹介です。

「目的と手段を取り違えない」
「上位目標を忘れない」
「自律のための教育を大切にする」


こうしたいくつかの基本的な考え方を大切にして、多くの学校で「当たり前」とされてきたことについて、見直しを続けてきました。
・・・・・・
教師は、人材育成のプロであるはずです。そうでなければなりません。
・・・・・・
学校が変われば、社会は必ず変わります。(以上「はじめに」から)

学校が変わるために、今、何が必要なのでしょう。
それは教育の本質を取り戻すことです。・・・何ために学校があるのか、作られた制度の中で考えるのではなく、生徒、保護者、教員が最上位の目的を忘れず、ぶれずに、ゼロベースで積み上げていくことです。(最終章の終わり)


私は、特にこの最終章の終わりに記されたこの3つの文章が一番強く印象に残った部分です。

なぜなら、この「学校」を他の組織に入れ替え(例えば「会社」「役所」「病院」等)、「教育の本質」をその組織の本質として考え、「生徒、保護者、教員」をその組織の当事者に入れ替えれば、全ての組織の変革につながる言葉だからです。


この2冊の本は、学校の教員や学校教育関係者だけではなく、公的機関や非営利組織(つまり、自治体や病院)、そして民間企業などすべての組織でいい仕事をしようとする人、組織マネジメントに取り組むすべての人にお薦めしたい。


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posted by じんさん at 22:30| 北海道 ☔| Comment(0) | いい仕事、いい組織づくり ヒント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月16日

「森のような経営」出版記念イベントに参加しました


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森のように生きる.jpg 
先日(3月14日・木)「森のように生きる」出版記念イベント『森のような経営とは』セミナーに参加してきました。


著者の山田博さんは「森のリトリート」を主催する株式会社森への代表。

「森のリトリート」は、仕事や家庭などの日常生活から離れて、ひとり森の中でゆっくり時間を過ごしたり、焚き火を囲みながら人とゆっくり対話をする時間を過ごす2泊3日の宿泊型ワークショップです。

イベント第1部は、そのワークショップを主宰する 山田博さんによる「ミニ森体験と"森のような経営"」のお話。

第2部は、山田さんとすでに十回近く参加しているリージョンズ株式会社の高岡社長との対話であっという間の2時間でした。

日頃の2倍の時間をかけて息を吸って、吐いて、ゆっくりと呼吸して、森の中での鳥の声を聴きながら「森のリトリート」体験者の話や実際を追体験する映像を見る。

そして、山田さん、高岡さんのかなり率直な対話、高岡さんの目の前をテンが人の存在を気にせずに現れ、しかも餌のコオロギ(だったかな)をムシャ、ムシャと・・・。高岡さんが自然と一体になった瞬間。

参加者は、その2泊3日の中で、様々な「サイン」を発見するようです。

とセミナーの話はこれ位にして、後はぜひ山田博さんの本をご覧ください。


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posted by じんさん at 00:00| 北海道 ☔| Comment(0) | 今・ここ・私 から | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月13日

「EVとリチウムイオン電池の真実」日経懇話会(札幌)に参加

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本日、久しぶりの講演聴講、日経講話会(札幌)に参加しました。

テーマは「EVとリチウムイオン電池の真実」

蓄電池の技術とその開発の歴史、現状を中心にEV(電気自動車)・FCV(燃料電池自動車)、さらにはSDGsそして再生エネルギー問題から今後の電力業界の話まで、約1時間20分近く非常に関心をもって聴き、あっという間の講演でした。

国内にとどまらず海外、そして現地・現場取材、かなりの人的ネットワークからの情報収集、さすが日経記者!(と感じる久しぶり)の講演でした。また、講師竹田さん関西出身者らしく興味深く聞かせる語り口もひきつけるものがありました。

ここで、中身は詳細には述べませんが私が学んだこと(初めて知ったことも)及び感想です。

1.電池(蓄電池)では日本の技術はもともと先進的だったこと〜そのきっかけは日ロ戦争、そしてその後潜水艦へ

2.リチウムイオン電池の発明はアメリカ人、基本特許アイデアそして開発は日本人だった〜リチウムイオン電池の発明者ジョン・グッドイナフ(米人)、基本特許のアイデアは日本人、旭化成が開発し日本人2を含む3人がノーベル賞候補〜さあ今年ノ―ベル化学賞発表が楽しみ

3.リチウムイオン電池は高性能だが発火や爆発的燃焼のリスクもある

4.全部はまだ理解できていませんが、電力エネルギー問題の単純ではない問題

5.グーグル電力、アマゾン電力という消費コントロールによる電力削減

まだまだ内容盛りだくさんの講演でしたが、以上が私の中で印象深かったこと。

どちらにしても、この技術開発とエネルギー問題と言う国家・政治も絡み、しかも地球環境境問題も含む今回のテーマは、単純な分析的思考ではなく、システム思考、統合思考力が必要な課題と感じ、まだ理解不十分ですが、新聞のエネルギー問題を理解する断片的基礎は学べました。

講師の竹田編集委員ありがとうございました。

追記)講師の竹田忍氏の著書です。講演会で紹介されましたので、私も早速アマゾンで購入しました。







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posted by じんさん at 00:00| 北海道 ☔| Comment(0) | 今・ここ・私 から | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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