2009年07月08日

働き一両、考え五両〜小説「連戦連勝」より

働き一両、考え五両」という言葉を初めて知ったのは、ドトールコーヒー創業者鳥羽博道氏の日経新聞「私の履歴書」(2009年2月)。

2月26日の掲載された内容からの引用。
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ある時、ゴルフをしているコースの途中に石碑があり、こう記されていた。
「働き一両、考え五両」と。

一の努力は一の成果しか生まないが、アイデアを持って一の努力をすれば
五の成果が出る。世の中には努力する人や一生懸命な人はゴマンといる。
アイデアを持って努力しなければいけないと痛感した。
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「さらに、その記事の鳥羽名誉会長の座右の銘の色紙(写真)に描いている内容が、下記です。

  働き      壱両
  考え      五両
  知恵借り    拾両
  骨知り     五十両
  ひらめき    百両

このことをあらためてブログに書こうと思い「働き一両、考え五両」の検索をしたら、この言葉が書名の一部になっている小説を発見。

それがこの記事のタイトル、城山三郎の「百戦百勝〜働き一両・考え五両」。

山種證券の創業者山崎種二氏をモデルにした小説。

 種を二つまいて一つを刈り取るような生き方の意味をこめて種二(小説では豆二)という命名となったようで、モデルとなった種二氏自身の生き方もきっと「働き一両、考え五両」を徹底して一代で證券会社を作り上げたのでしょう。

是非一読を、お薦めいたします。


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ラベル:城山三郎
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2009年04月19日

常に学び続けるとは〜『居つかない、常に進化する』姿がすごい


 
武術研究家の甲野善紀さんのDVD選書「甲野善紀身体操作術」を見た(約90分)そして読んだ(約15分)。

合気道の稽古をしていた頃に、甲野善紀さんの本は数冊読んだことがある。その時は、技そのものよりは稽古法や指導法について関心を持っていた。

技そのものは、合気道を二十五年近く稽古した者としては、自分ができるかどうかは別として、驚きはあまり無い。
しかし、現在の決められた技をただ繰り返すだけの合気道では、甲野さんのレベルに達するのは極めて困難なことも間違いない。

それ以上に、このDVDの撮影期間の中でも本人自身の認識や術理が生成発展している姿がすごいと感じられた。
このことは、『居つかない、常に進化する』と表現されている。

また、道場の中での技の稽古だけではなく、社会、生活そして、合気道、格闘技はまだしも、各種スポーツ(ラグビー、フェンシング他)、音楽(フルート、太鼓他)、演劇、介護など多様な分野にプラスの影響力を発揮していることがすごい。


本人は指導しているのではなく、自ら稽古を続け、その技を実践、応用する姿を見せているだけだというのがもっとすごい。

語録集の中の一部「身体の中で滞るところがなくなれば、感情を不愉快にしようとしてもなれない。・・・」、この文章を私は「笑っていれば怒れない」と言うようにもいえると感じた。

このこと研修トレーナーとして、現在研修で“言語コミュニケーション”
以上に“非言語(態度・表情など)コミュニケーション”の重要性を伝えているが、非言語(身体活動)をコントロールすることで、自らの感情ともコミュニケーションできると言う視点も持てる。

言語ではなく、身体によるコミュニケーション、そして身体で考えること の実践書(見る本)である。

一度は見て、考える、そして考えないで感じとってみてはいかが、とお勧めしたい。
(DVDだけのものあるようです。上記)


この書を読んで、今月読んだばかりのリクルート時代の先輩今野誠一さんの
「マングローブが教えてくれた働き方」を思い起こした。

勝つことを追い求める武道家や格闘家とは違う武術研究家の甲野さんの生き方と
ビジネスで成功だけを追い求めるのではなく「成長」を重んじる今野さんのあり方が、
重なる一面があるように感じた。

今野さんのマングローブ的生き方・働き方、ナチュラル経営も無理のない自然な姿に
見える。
そして謙虚に学び続ける姿もそこにある。


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2009年04月10日

「素敵なお客様になる本」と「事業再生する社長のための本」〜二人の知人の本紹介

昨日の道新朝刊(札幌地方欄)と今日の日経新聞朝刊の北海道経済欄に相次いで、知人お二人の出版された本が紹介されていました。

一人は長谷川裕詞さん、彼は日本ハムファイターズの応援団体「日本ハムファイターズ応援作戦会議」の代表としても知られている。
(ネットで検索したら報知新聞の記事でも出ていた。さらにスポニチの記事も発見)
書名は「素敵なお客様―お客様は神様ではない!}(文芸社、1050円)。

彼は、学生時代のアルバイト経験、最初の仕事の接客サービス業の経験をなどをもとに「お客様のあるべき姿」をQ&A方式で問いかけるユニークな本。お客様とサービススタッフとのコミュニケーションを通してつくられる“良好な関係”でサービスの質が高まることを訴えている。

お客様へのサービスや顧客満足度を高める本は数多あるが「素敵なお客様」になるための本は、これが最初の1冊だろう。

非常に分かりやすい本なので、小学生からも読めるし、子どもや学生、若い人にも読んでほしい本だ。


もう一人は、道内唯一の事業再生コンサルタント会社、潟Xター・ターンアラウンド・パートナーズ社長の山崎誠さん。
書名は「ひとりぼっちの社長のための事業再生」(エイチエス)。

日経記事では、なぜか「売上7億円までの経営者向け」、と出ていた。
(本書を買って読んだら、中にそう書いてあった。)

企業の事業再生や事業承継の本は、本屋さんの専門書棚に多数並んでいるが、中小企業の社長さん自身が読んで役立つ本は、これも皆無といっていいほどだ(あっても難しそうだ)。

本書の“はじめに”で「アンタわかりやすいな!」と言われたエピソードも書いてあるが、専門用語も少なく確かに分かりやすい。
(この面は、専門用語的なことを書きがちな人事研修コンサルタントの私も非常に参考になる)
(ときどき出てくるイラストも味があってよいなあ)

実際には、切羽詰る前に小さな企業の社長さんの経営指南書また参考書として、読んでおくと、「事業再生」の困難に陥らない予防にもなる本だ。 

「売上7億円までの経営者」はもとより、それ以上の会社の社長・役員の方、経営コンサルタント関連の方、企業経営の専門家(弁護士、会計士、税理士など)、これから創業や起業を考える若いビジネスマンにも、小企業の社員の方にも、是非お勧めしたい。

山崎さんのブログはこちら


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2009年04月09日

「マングローブ」が教えてくれたこと


 
「マングローブ」が教えてくれたこと、書名は正確に言うと「マングローブが教えてくれた働き方〜 ナチュラル経営のススメ 」です。

先日(3月28日)のブログで書いたとおり、元リクルート、元リクルートコスモス人事部長で、現在潟}ングローブ社長今野誠一さんの著書。出版社はブルース・インターアクショズ。

本書の章立ては、
1章 攻めのリクルートの人事畑で学んだこと
2章 マングローブ的生き方・働き方
3章 ナチュラル経営と土づくり
4章 ムリのない会社と自分

第1章は、リクルート、リクルートコスモス時代の経験と学んだこと。
この章での、「合目的的」な生き方と違和感、の項の記述は、私自身もリクルートにいて非常に感じたことでした。ここで言う所の「合目的的」は、会社の成長のために、経営の方針に従って(同化して)目指す目的(目標)の結果を出すための合理的な働き方ということだと思う。

私自身はリクルートに9年弱在籍、今野さんのようなステップアップ(昇進)をすることもなく、たまたまであった講座(戦略行動学講座)で人生戦略を明確にしたことをキッカケに、社員数約2千5百名いた会社から5名の会社に転職し、将来の北海道での人事研修コンサルタントで独立を目指した。

当時30歳の私は、自分の人生戦略の下に(とは言え、結構右往左往しながらも)その後2つの会社を経て、41歳で独立。自己目的(人生戦略)に対しては、合目的的であったと言えないこともない。

第2章、第3章は、今野さんが独立後、マングローブの経営をする中で経験から学んだ個人の生き方・働き方、そして今行きついた「ナチュラル経営」について。

最終章(第4章)は、さらに現在進行形の「会社」と「自分」の関係が綴られている。
これ以上は、あまり細かい内容は紹介し過ぎないのが礼儀、関心を持った方は、是非手にとってお読み下さい。

人生やビジネスのビジョンや大目標をつくって、成功しよう!ということはもちろん大事だけれど、自分の内なる声や“自然さ(ナチュラル)”といことも見つめることも大切だと、私も思う。

私は、今野さんに遅れること1年後に独立。ちょうど今年(2009年)で丸10年目を終えた。
この4月から11期目スタートしたばかり。

「人と組織と地域をゆたかに」の理念で、北海道、札幌の地で企業研修・人事組織コンサルティング事業を行っている。
未だに現在進行形で、仕事を作り&創り、こなし、考え、悩み、気づき、学び、続けている。

「今から ここから、私から」11年目も一歩ずつ前進していこう。

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2009年03月15日

「感じるマネジメント」〜理念はいかにして共有化されていくのか

先日、日本報連相センター代表の糸藤さんから、2月に紹介した私の
取引先の役員Tさんへメールでお勧め本の紹介がありました。その後、
そのTさんから糸藤代表への御礼と感想メールを見て、その本
「感じるマネジメント」が2年前に買って読まないまま本棚にある
ことにハッと気づき、早速読んだ次第です。目

これが今回紹介する本を読んだキッカケです。
(私は本を買うときに同じテーマで3,4冊一緒に買うことが多く、
時々そのままにしてしまうことがあります。)

さて、本書「感じるマネジメント」は、理念の巨大組織への浸透に
ついてトップの指示を受けた人事スタッフが外部コンサルタントの
サポートを受けて取組んだ実例の紹介です。

以下は本書から私が学んだこと、感じたこと。

@本当に大切なものは、言葉多く、詳しく説明しても伝わらない。
A物語(ストーリー)が伝わる、感じたことを語ることが伝わる。
B伝える内容の準備よりも、伝えたい相手へ、今、ここでの対面(対話)により伝わる。
C伝達手段(ビデオ、冊子、ポスター)や仕組みよりも伝えたい気持ちが大事。
D余白が相手とのつながり・共有の空間をつくる。
E理念自体が素晴しいかどうかではなく、理念を共有化して、メンバー個々人の
 実際の意識と行動につながるように表現できるかどうかが理念の「力」となる。
 その力がある理念として、経営者とその組織の「心技体」が重なる合うもので
 あることが必要。理念は言葉ではなく「運動エネルギーのもと」である。
※Eは、同書から学んだ、理念に関する私の一つの結論。

強く印象に残った箇所は、キリストの伝道の話で「教えるのではなく共に学ぶ」
「<相手の心の中にある宝物>を相手と一緒にみつけながら、共に豊かになる」
「同じ憧れに憧れられるのが、先生と生徒のよい関係です」。
※以上は研修トレーナー、コーチとしての内省につながりました。
他には、
「布教ではなく、共感」「浸透ではなく、“つながり”」
「1.語り伝える」「2.体験を共にする」「3.対話する」という3つの道筋モデル
※これは組織コンサルタントとしてかなり有用です。

私には、「意味・目的の共有化と共感によるマネジメント」
を学んだ本と言えます。

今、私の一番の問題意識・テーマは、「対話」による組織変革です。
もっと実践的にいうと、「対話」による情報と意識の共有化(コミュニケーション)、
を深めること、そして「対話」による組織の現実の課題解決の促進です。

本書は、その面で多大なる気づきとヒントを与えてくれました。

経営者でなくても、人事組織マネジメントに直接携わらない、
一社員、一管理者でも、役に立つことが得られる本だと思います。
なぜって余白がたくさんあるからです。
(読みやすいし、いろんなことが伝わってくる本です。是非実感してみてください)


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posted by じんさん at 15:37| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | お薦め本・書評など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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